エアコンの工事屋がポケロビについて説明します
エアコンの真空引き作業にポケロビっていう道具を使っていたけど大丈夫なの?
真空引きの作業って20分ぐらいかかるって聞いたけど、数分で完了したのは手抜き工事なの?
真空引きとは配管内の不純物(空気)を取り除く作業で一般的には電動真空ポンプを使用します。
ポケロビも簡易真空ポンプとして使用する業者もいますが、手抜き工事かどうかについてはこれから説明していきますね。
電動真空ポンプ | ポケロビ |
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真空引きをする工具として最も一般的な電動真空ポンプです |
電動真空ポンプと比べてかなり小さい(手のひらサイズ)ですが、家庭用エアコンであれば真空引きは可能です |
実際にポケロビを使用したエアコン取り付け動画を掲載しておりますので参考に見て頂けたらと思います。
ポケロビについて
ポケロビは大体2011年頃から簡単に真空引きが出来る真空ポンプという事でエアコン工事業界では大きく話題になりました。
今までは電動真空ポンプで作業するのが当たり前だったのに、ポケロビがあれば電気が通っていない空室物件での作業や、屋根上に室外機を設置するのに重い電動真空ポンプを持ち運ぶ必要がなくなるのです。
私も正直、魅力に感じていたのですが費用が高く諦めました。
でも実際に私の周りでは三人に一人は使用していたと思います。
しかしながらエアコン本体の中にはエアコン据付説明書が同梱されており、メーカーからは「電動真空ポンプで真空引きをするように」と記載があります。
では真空引きをするのに電動式ではないポケロビを使用するのは手抜き工事になるのか・・・
ポケロビで真空引きをするのは手抜きではありません、だけどメーカーが推奨していないなら使用すべきではないというのが私の考えです。
真空引きをしていないのでは?手抜き作業では?と思わせてしまうようなエアコン工事はやはり良くないです。
お客様から代金を頂いて施工する以上、責任を持って満足してもらう工事を提供することが工事業者にとっての義務だと思いますので。
ポケロビを使用すると手抜き工事と思われる理由として
エアコンの工事業者は電動真空ポンプを繋いだ状態で20分〜30分ほど放置して、その間に別の作業をおこないます。
ポケロビだと1分〜2分ほど電動ドライバーを回すだけで真空引きの作業が終わるので「真空引きをしていない」「手抜き工事をしている」と思われてしまいます。
実際には電動真空ポンプなら数十秒で真空状態にできますが、小型機械のポケロビだと1分〜2分ほど時間がかかるという事です。
それなら何で電動真空ポンプを20分も30分も動かし続けてているの?
ポケロビのデメリットは何?
メーカーの据付説明書に真空引きは電動真空ポンプで15分〜20分以上行うように記載があり、すぐに真空引きが完了していても長く動かす分には問題ないからです。
ポケロビのデメリットは小型設計されているため、家庭用のエアコンには問題ありませんが、業務用エアコンなど配管を長く使用する場合においては長時間の使用ができません。
真空引きにおけるエアパージは完全な手抜き工事です
エアパージとは室外機の中のガスを放出することで、配管内部の空気を追い出す作業の事です。
この作業は非常に簡単でわずか数秒で終わりますが、ガスが少し抜けてしまうだけでなく配管内に空気が残る可能性もあり完全な手抜き工事です。
配管内に空気が残ると微細な氷片となり室外機が目詰まりして故障の原因となります。
室外機で作業する際に「プシューッ」と音がしていたら「エアパージ」をしている証拠です
この場合はすぐに工事会社に言って対応を求めましょう。
同じエアコン工事業者として悲しいですが、こういう手抜き工事をする業者はまだ多くいます。
エアコンを取り付けしてすぐに症状として現れないのが厄介で、後から言ってもそのような業者は施工不良と認めずエアコン本体の故障と言い張ってくるでしょう。
少しでもそのような被害に合われるお客様がいなくなるように、このホームページが役に立ってくれたら幸いです。